障がい者eスポーツの課題 ーETV特集からみえるものー
2019年8月31日群馬県高崎市で第1回障がい者e-SPORTS大会が開かれた。20名もの障がい者があつまり、リーグ・オブ・レジェンドをチームを組んで戦い抜いた。
この模様は様々なメディアで取り上げれ、障がい者のeスポーツ参加への認知度を高める機会となった。
年があけて2020年2月8日、NHK_ETV特集「バトルアリーナはバリアフリー ~eスポーツに懸けた障がい者たち~」が放映された。
この番組は、群馬大会での出場選手に焦点をあて、選手それぞれの大会にかける思いや苦悩を、丁寧にまとめている。
性別・体格・年齢の区別なく、競い合える舞台となるeスポーツは、様々な障がいをもつ人の可能性を広げてくれる。
番組タイトルにもなっている言葉のとおり、まさに、バトルアリーナ(仮想空間内)は、バリアフリーなのである。しかし、その一方で、障がい者が、参加していくために、まだまだ壁が多いことも同時に、番組内で描かれていた。
ここからは、番組を振り返りながら、数回にわけて、障がい者eスポーツの課題を考えていく。
スタートラインにたつために
番組冒頭は、出場選手の越塚竜也さん(31)のデバイスの工夫から話が進む。
越塚選手は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と呼ばれる疾患で、筋肉が徐々に壊れ、力が弱くなっていく。
このため、ゲーム操作に必要なゲームコントローラやキーボードやマウスの操作が困難となる。利用しやすいように、デバイスを上手く工夫できないと、eスポーツのスタートラインにさえ、立てないのだ。
手が届かない、ボタンが固くて押せないなどの、デバイスの困難さを改善するため、番組では数多くのデバイスが登場する。すべて市販されているもので、購入が可能だ。
製品名 | 価格 | 用途 | 登場時刻 |
---|---|---|---|
らくらくマウスⅡ | 28,000円(税込) | マウス操作 | 04m36s |
見るマウス | 無料 | 視線入力アプリ | 08m20s |
ジョーズ3 | 270,000円(税別) | マウス操作 | 08m33s |
ホッペタッチスイッチT | 10,000円(税別) | スイッチ操作 | 08m33s |
QuadStick | from$549.00 | マウス操作 | 08m49s |
JoyToKey | シェアウエア | 入力支援アプリ | 09m15s |
ポイントタッチスイッチ | 35,524円(税別) | スイッチ操作 | 09m25s |
Xbox Adaptive Controller | 10,978円 (税込) | スイッチボックス | 10m00s |
フィンガースイッチ | 1,620円(税別) | スイッチ操作 | 10m00s |
ソフトワイヤー | 100円(税別) | 支持具 | 10m00s |
リアルアーケードPro.V HAYABUSA | 15,980円(税別) | コントローラ | 29m18s |
ジョイスティックマウス(カスタム) | 35,000円(税別)+別料金 | マウス操作 | 56m48s |
続く
2020-02-13 おっさんずOT
1972年生まれ。いつも背中が丸く。パソコン作業中は、声がかけづらいオーラ戦士だという。