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真ん中?それとも端っこ?

2016-02-24 11:54

皆さんが電動車椅子のジョイスティックコントローラを使うときは、どこに置きますか?左右のどちらかの端っこ?それとも、真ん中でしょうか?

以前、こんなことを聞かれたことがあります。


「脊柱変形のことを考えると、左右どちらかにジョイスティックを置くと、側弯を強めるので、真ん中にコントローラがきたほうがよい」


こんな意見でした。皆さんはどう思われますか?


私たちでも、楽な姿勢を取ろうとすると、寄りかかるところを無意識に探しています。


例えば、背もたれであったり、肘掛け台、または、テーブルに肘をついて座ることもあるでしょう。コントローラが左右の端っこにあると、体が左右どちらかに偏ってしまう。特に、体幹の力が弱くなっている筋ジスのみんなの場合では、そんな理由から上記のような真ん中が良いのでは?という意見でした。


しかし、これに関しては、しっかりと、体幹を支えるシーティングがあれば気にしなくてよいものだと考えています。アームレストにより掛かるよりも、きちんと支持される部分を姿勢保持でつくることが大切です。


ちなみに、ここでいう体の支えとは、体をがんじがらめに倒れないように固定するということではありません。頭と胸部の重さを支える、バランスが取れるポイントをつくることが必要です。この姿勢保持の話はまた別なところで。。


さて、姿勢保持がされていると、コントローラは、真ん中でも端っこでもどちらでもよいのですが、手の変形を強くする二次障害は避けましょう。


写真の彼の場合だと、肘や前腕を持ち上げるだけの力はありません。そのため、ジョイスティックを操作するのは、手首の下を支点として操作しています。これでは、右側へスティクが倒しづらそうです。


ここで、アームサポートの登場です。


ちょっと支えの部分をつくるだけで動きの範囲が広がります。また、もう一つ考えたいのが、コントローラが真ん中でスティックを前に倒すと、手首を反る動き(背屈)の動きが使われます。


筋ジスでは、多用した動きの方向に手が固くなりやすい特徴があります。背屈を強めると、テノデーシス作用といって、指の屈曲を強めてしまいます。つまり、手が開きづらくなり、残りやすい指の動きが、将来、使えない手になってしまうことが予想されます。


筋ジスでは、動けるからこそ、脊柱変形や関節拘縮がおこります。


これは、普段のストレッチなどのリハビリでは防げません。ちょっとした日常での楽をする工夫の積み重ねが必要です


確かに、使えれば別にそれでいいという意見もあるかもしれませんが、より将来にわたって、自分の可能性を広げていくには、道具と体を「楽」をキーワードに合わせていくことも大切です。


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